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管理人の書いた、乙女ゲーの二次創作保管庫です。
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乙女ゲーとか映画とか書物を愛する半ヲタ主婦。
このブログ内の文章の無断転載は、固くお断り致します。
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ええと、ラブでもなくギャグでもなく……。
何にカテゴライズしたらいいのか、自分でもわかんない話です。
しいて言うなら、ほのぼの??(実はテーマはテレビ時代劇だったり)
読後感は、さわやかなはずです、ええ、きっと。
※オリジナルキャラが登場しますので、苦手な方はご注意下さい。

拍手、ありがとうございました。励みになりますです。

拍手


「胸に願うこと」

 ツバメが足下から鮮やかに身を翻し、飛び去って行った。風を切って飛ぶその姿をしばらく見送ってから、彰紋は眼前に広がるパノラマへと目を戻した。
 豊かに水が張られ、空と雲が映り込んだ田に、早苗が整然と植え付けられている。遙か遠い田では、裾をからげた村人たちが、三々五々に散らばって、田植えをしていた。村人たちの手は休むことなく動いているようだった。娘たちが歌う田植え歌が風に乗ってかすかに聞こえ、彰紋の心を和ませた。
 その頬を撫でて吹き過ぎる初夏の風に、苗はいっせいにたなびき、緑の頭を下げた。この苗がやがてぐんぐん伸びて、夏には明るい緑で田を満たし、そして秋には黄金色の波となることだろう。
 彰紋はそっと身をかがめ、水田に手を入れてみた。日光に温められた温い水の感触。その底にある農民たちの努力のたまものである肥えた土が広がっている。彰紋の龍の宝玉が埋まった右手は、土のその奥、大地の胎内に脈々と流れる気を感じ取った。
(流れている……清らかな気が)
 あの大晦日に、龍神の神子である花梨が身を賭して願ってくれた、その通りに、京に沈殿していた穢れは消え去り、気の流れが整っているのを確信する。
 改めて花梨に感謝するとともに、豊かな実りを祈る気持ちで、彰紋がしゃがみこんだまま手を浸していると、声を掛ける者があった。
「若様、田にお手を浸けるのはよくねえだ。蛭に吸い付かれるでな」
 振り返ると、野良着をまとい、籠を背負った小さな老婆が立っていた。
「おばあさん、ありがとうございます」
 老婆の忠告に従って、彰紋は手を引き上げ、身を起こした。目の前にすらりと立った彰紋の姿に、老婆はまぶしそうに目をぱちぱちとさせた。
「あんれま、お美しい若様だなや」
 彰紋はくすりと笑うと、老婆に話しかけた。
「ただの若輩者ですよ。おばあさんは、この辺りにお住まいなのですか」
「んだ」
「田植えも着々と進んでいるようで。今年は豊作だといいですね」
「んだなあ。この何年か日照りが続いたと思ったら、大雨で田が水浸しになっちまったり。暦にもねえようなおかしな天気で、全然稲が育たなかっただ。今年こそ米がとれねえと、みんな日干しになっちまうだよ」
 穢れの影響が、この京の郊外に於いては異常気象となって、村人たちを苦しめていたのだと思うと、彰紋は胸が痛む思いがした。だが、もうそんな苦しみは終わる。彰紋は、老婆を安心させたくて、言葉を接いだ。
「今年は、きっと大丈夫ですよ。龍神の神子が京に溜まった穢れを払って下さいましたから、去年のようなおかしな天候にはならないことでしょう」
「ほお〜、そうけ? 噂にはちらっと聞いとったが、ほんとに神子様が穢れを払って下さったのけ?」
「ええ」
「んだな〜。おらも長えこと生きてるだが、あんなおかしな天気は、見たことも聞いたこともなかったでな。言われてみれば、今年は暦通りに畑仕事も進んでるし、降ったり照ったり、当たり前の天気が続いてるみてえだな。これも龍神様と神子様のおかげかのう?」
「ええ、そうですとも。今年はきっと何もかもうまくいきますよ。村の皆さんにもそうお話して下さい」
 彰紋の確信に満ちた言葉と笑顔に、老婆は力づけられたようだった。
「そんなら祠に行って、龍神様と神子様にお礼を申し上げねえと。……何もかもよくなるんだったら……龍神様はおらの願いもかなえて下さらねえかのう」
 しわ深い中にも、明るい笑みをのぼせていた老婆の顔が曇るのを見て、彰紋は気になってしまった。
「おばあさんのお願いとは、どんなものなのですか?」
自分にできることなら、してあげたいという思いで、彰紋は問うた。
「おらの息子のことだ。三年前に食い詰めて村を出て行ったきり、便りの一つもねえ。生きてるんだか死んでるんだか……。おらもこの年だ。いつお迎えが来てもおかしくねえだ。その前に一目会いてえ」
涙を頬に伝わらせる老婆の荒れた手をそっと取ると、彰紋は言った。
「お気の毒に……。おばあさん、先ほどのお話の龍神様の祠はどこですか? 息子さんが帰っていらっしゃるよう、僕もご一緒にお祈りします」
「若様、そりゃあ、ありがてえこった。どうぞ、こっちに来てくだせえ」
 老婆は彰紋の手に取りすがりながら、用水路の傍にある龍神の祠に、彼を連れて行った。ここに祭られているのは、京を護る応龍ではなく、村人たちが水の神としてあがめている龍神だったが、祈る気持ちがあれば、きっと通じるだろうと彰紋は考えた。
 老婆とともに、小さな祠の前に膝を付き、心を込めて祈った。
(龍神よ、どうかこの方の息子さんが、村に帰って来られますように。せめて便りなりともたらされますように)
 と、その時、彰紋は右の甲の宝玉がじりりと焼け付くような感触を覚えた。彼はそれが龍神に祈りが届いた証拠と受け取った。


 その晩、彰紋は不思議な夢を見た。あの老婆の住む村のはずれに立てられた二本の柱の前で、見たこともない蓬髪、髭面の男がうずくまって、おいおいと泣いている。そのあまりの悲しみように哀れみを覚えた彰紋は、傍へ行って、声を掛けてみた。
「もし、どうなさいました?」
「おら、この村の者だが、三年前に飛び出して、追いはぎをやったり、盗みをしたり、さんざん悪さをしたもんで、お役人に首を斬られただ。
 それからずっとあの世にも行けなくて、ふらふらしてたども、今日白い光の玉が現れて、おらを生まれた村まで連れて来てくれた。だども、おらがいろんな悪さを働いたもんで、村境の守りが中に入れてくんねえ。ああ、ああ、悪いことをしたばっかりに、死んでも村に帰れねえ。おっ母あにも会えねえ」
 そう言うと男は、地にまろんで、更に激しく泣いた。
「それでは、あなたはご自分の犯した罪を心から悔いるのですね?」
「んだ。だども、もう遅い。遅いんだ」
 彰紋は、男の傍に膝を付き、助け起こして言った。
「いいえ、遅くはありませんよ。お母上もあなたに会いたいと望んでいらっしゃいます。あなたが心から悔い改めるとおっしゃるのなら、明後日、村はずれに僕は参りますから、その証を立てて下さい。そうすれば、きっとお役に立てると思います」
 男は、涙にまみれた顔を上げて肯いた……。
 と、そこでふっと目が覚めた。まだ夜明けには間のある深い闇に支配される時間。
 彰紋は、床から身を起こし、今しがたの夢を吟味した。男があの老婆の息子であることは、ほぼ間違いない。であれば、男は龍神に導かれて、村はずれまで帰って来たものの、村の入り口に張られた結界にはばまれ、中に入れずにいるのだろう。
 ただし、悪霊が夢に入り込んで、たぶらかそうとする場合もある。彰紋はしばし考えた末、明後日、村へ行く際に、ある人物に同行を依頼することにした。そう思い決めると、悪しきものが寄りつかないよう、般若心経を唱えつつ、再び眠りに落ちた。


「東宮という身分でありながら、なぜこんなところまで出向いて、怨霊と関わり合いになるのだ?」
整った顔をしかめて、安倍泰継が言った。
「あの人は、僕の印象では、まだ怨霊にはなっていませんよ。このまま放置していれば、なるかもしれませんが。京の民にあだなすかもしれない怨霊の誕生を事前に防ぐことも、東宮であり、八葉である僕の役目でしょう」
「ふむ、まあ、いいだろう。それで、どこなのだ? その怨霊になる手前の男がいる場所は?」
「こちらです」
 あの夢を見た翌日、彰紋は、八葉の一人であり、優秀な陰陽師としても知られる安倍泰継のもとを訪れた。彰紋から話を聞き取った後、泰継は慎重に気配を探った。悪しきものが夢に入り込んだのなら、必ず痕跡を残すはずだからである。だが、どうやらそのような形跡はなく、男の霊にまず害意はないだと思われる。
「でしたら、村へ帰らせてあげないと」
 彰紋の言葉に、泰継は口元を曲げた。
「野盗、追いはぎの類なのだろう? 死んでいるとはいえ、村の結界が拒むのは道理。そんな者を村の中に入れることは、村人の益にならないからだ」
「でも、悔い改めると言っていた言葉を、僕は信じたいのです。僕が正しい判断を下せるよう、明日、村までご同行願えませんか?」
”なぜ、そんな者に感情移入するのか、理解できない”という内心を、そのまま表情に出しつつも、不承不承泰継は同意した。


 こうして二人は、そろって村境までやって来た。はたして、二本の柱の一方のたもとで、夢に出てきた男がうずくまっていた。
「やはり、いらっしゃいましたね」
「ふむ」
 二人の近づく気配を感じたのか、男は顔を上げ、こちらを見た。
「ああ〜、若様、ほんとに来て下さっただな。おら、ずっとここで待ってただ〜」
 男は彰紋の足下に身を投げるようにすると、取りすがるようにして、泣き始めた。彰紋は身をかがめて 男の手を取ると、やさしく話しかけた。
「ええ、参りました、約束を違えずに。できれば、あなたをお助けしたい。けれど、そのためにはあなたも約束を守って下さらなくてはいけません。夢の中でお話したことを覚えていますか?」
 男は、こっくりと肯いた。
「おら……おら……人を脅して、銭や着物を巻き上げたり、盗んだり、ほんとに申し訳ないことをしただ。生まれ変わったら、ほんとうに真人間になるだよ」
「どうでしょう、泰継殿? この方の心に偽りはないと、僕は思うのですけれど」
「ふむ……」
 泰継は、男の様子をしばらく眺めていたが、やがて声を掛けた。
「立つがいい。そして、私の前へ」
「へ、へい」
 射すくめるような視線に萎縮しながらも、男は言われる通りにした。すると泰継は、男の前で手早く印を切り、「はっ!」と気合いを放った。男のからだに強い電流が走ったように、びくんと地面から跳び上がった。
「……これでいいだろう。おまえが悪心を起こし、怨霊と化した場合には、すぐに私の元に動きが知れるよう、呪をかけた。そのようなことになった場合、私はおまえを即座に調伏し、霧散させる。心するのだな」
「へ、へえ」
 泰継の厳しい言葉の後を受けて、彰紋は諭すように語りかけた。
「これからは、村の人のお役に立つように、振る舞われるとよいでしょう。そうして一つひとつ罪を償われたなら、いつか天に上がれる日も来ると思いますよ」
「ありがとうごぜえます! ありがとうごぜえますだ」
 男は額を地にすりつけ、伏し拝まんばかりだった。
 男が村人に害をなす者にはならないよう、予防線も引かれたところで、彰紋は泰継に問いかけた。
「それで、どうしたら、この方を村へ入れてあげられるのでしょう?」
「造作もないことだ。おまえがこの男の手を取って、柱の間を抜ければいい」
「そうなのですか。では、どうぞ」
 差し伸べられた彰紋の手を、男は押し戴くようにして、立ち上がった。
そうして村境を示すと共に、結界の役目を果たしている二本の柱の間を通り抜けた。その瞬間、自分の中の男の手が激しく震えるのを彰紋は感じたが、しっかりと握りしめ、結界を越えた。
「ああ、入れた、入れただ〜〜!!」
 男は小躍りしないばかりに喜んだ。
「ありがとうごぜえます、若様、陰陽師様。ご恩は忘れねえです」
 髭面を、今度はうれし涙で濡らす男に、彰紋は笑いかけた。
「さあ、お母上のところへ、早く行ってあげなさい」
「約束を忘れるなよ」
「は、はい!」
 彰紋と泰継に向かって、何度も頭を下げると、男は村の中へ駆け入った。
「おっ母あ、おっ母あ〜!」
 喜びを全身に現して駆ける男の姿が消えるのを見届けると、彰紋は泰継を振り返った。
「今日は、ご助力ありがとうございました」
「いや、問題ない」
「あの方が万一怨霊になりかかった時の手立てまで講じて下さって。さすが泰継殿ですね。あ、どちらへ?」
 話の途中でくるりと背を向けて、すたすたと歩き始めた泰継を、彰紋は驚いて呼び止めた。
「決まっている、用が済んだのだから、帰る」
「そうですね。では、帰りましょう」
 去りがてに彰紋は、もう一度村の方へ振り返った。
(どうか、お母上の傍で、浄化していって下さいね……)
 祈る思いの彰紋に答えるように、風に吹かれた田の稲がいっせいに揺れていた。


 それから数日後、彰紋は後のことが気になって、再び村を訪れた。細い小道を伝って行くと、あの日老婆と共に祈った祠の前に出てきた。するとそこには、あの老婆が跪いて、祈りを捧げていた。
 彰紋は、老婆のじゃまをしないよう、祈りが終わるまでしばらく待って、声を掛けた。
「こんにちは、おばあさん」
「あんれ、若様」
 老婆は彰紋の姿を認めると、たちまち顔をしわくちゃにして、泣き笑いの表情を浮かべた。
「お目にかかれて、よかっただ。おら、若様にお礼を言いたくっで……」
「お礼?」
「んだ。この前この祠で若様と一緒にお祈りした日から、何日かして、おら、息子の夢を見ただ。息子は言っただ。『おっ母あ、おら、生きて帰って来なくて、すまね。んだども、これからは陰ながらおっ母あと村の衆の役に立つよう、守るから、許してけれ』
 目が覚めたら、この頭巾が枕元にあっただ。おらが息子に作ってやったもんだ、間違いねえ。そんで、おらは、はっきりわかっただ。息子は生きちゃいねえ。だども、見えなくとも、いつもおらの傍にいるって」
 話しながら老婆は、涙を溢れさせ、袖で顔を覆った。その時、彰紋は見た。老婆の傍にあの男が寄り添うように立っているのを。男は穏やかな笑みを浮かべ、彰紋に向かって頭を下げた。
(ああ、お母上の元へ帰れて、よかったですね)
 彰紋は男に向かって肯きかけると、泣いている老婆の肩に、そっと手を当てた。
「息子さんは、あなたの傍へ帰って来られたのだと思います。そして、もうずっと離れずに、いらっしゃると思いますよ」
老婆は顔を上げて言った。
「若様も、そう思ってくださるだか? おらも、どうしてか、そんな気がしてなんね。うちん中に他に誰もいねえのに、物音がしたり、人がいるような気がする時があるだよ。あれは……きっとあの子なんだな」
「ええ」
「きっと、若様が祈ってくださったおかげだな。ほんにありがてえこった」
 言いながら老婆が、今度は彰紋に向かって、手を合わせて拝むしぐさをするので、慌ててそれを引き留めた。
「おばあさん、おやめ下さい。きっとおばあさんが、息子さんを思うお気持ちが、天に通じたのですよ。ええと、おばあさんのお気持ちが癒されたのなら、僕も嬉しいので、僕からもこちらの龍神様にお礼を申し上げておきますね」
 彰紋は、祠に静かに祈りを捧げた。
(僕の祈りを聞き届け、導いて下さって、ありがとうございます。どうか、これからも少しでも京の民の役に立てる自分でありますように)と。


 日差しが射し込む濡れ縁に、彰紋は泉水と並んで腰掛けている。庭に植え込まれた橘の香りが二人の元まで流れて来る。彰紋は、先日の老婆と息子のできごとについて、泉水にかいつまんで話して聞かせていた。 泉水は、清水の湧く泉を思わせる笑みを浮かべて、耳を傾けていた。
「そうですか。そのようなことが……。よいことをなさいましたね、彰紋様」
「いえ……。やはりあのおばあさんの愛情が、龍神に届いたのだと思います。それに泰継殿のご助力のおかげか、と」
 泉水は、くすりと笑みをこぼした。
「その泰継殿から言われて、今日私はこちらへ参ったのですよ」
「泰継殿が?」
「ええ。昨夜式神を私のところへおつかわしになりまして、こうおっしゃいました。『彰紋は、あちらこちら出歩いて、穢れを受けやすい。そんなことで、北山から御所まで出向くまでもないので、おまえが払ってやるといい。笛を吹いてやるぐらいで、ちょうどいい』と」
「それは、また何とも泰継殿らしい……」
「そうでしょう?」
 二人して、くすくす笑い合った後、彰紋は真顔になって言った。
「僕を気遣って下さったのですね……。それにしても、そのために泉水殿にお出向き頂いたなんて、申し訳ないことです」
「いいえ、数ならぬ私が、東宮の重責を担われる彰紋様のお役に立てるなら、こんな嬉しいことはありません」
 言いながら泉水は、愛用の笛を取り出した。
「何をお聴かせ致しましょうか?」
「そうですね……。何でも。泉水殿の心に浮かぶ調べを奏でて頂ければ」
「わかりました」
 泉水は、しばらく瞳を宙にさまよわせていたが、やがて思い立ったように、笛を唇に当てた。りょうりょうと清らかな音色が、流れ出す。
 その音色に包まれながら、彰紋は思いを馳せていた。一人ひとりの人生に、大切な誰かへの想いがある。それは愛として護る方向へ働くこともあれば、悲しみや怨みとなって、降り積もることもある……。
 自分は、できることなら、そんな正にも働けば負にも働く、人々の胸の中の想いをくみ取れる為政者でありたい、と。
 肉体は滅しても、なお心は結びあう、あの老婆と息子の姿を思い描きつつ、彰紋は泉水の奏でる笛の調べに身を委ねていた。日差しが青葉に照り映える、陽春の午後のことだった。
                           (終わり)


 というわけで、このお話で目指したのは「水戸○門」、もしくは「暴れ○坊将軍」です(笑)
「将○家光あばれ旅」なんてのもありましたね(爆) (アクション場面、ないですけど^^;)
 彰紋さまが、実際帝位についたら、政治家として手腕を振るう相手は、恐らく貴族の面々でしょうけれど。東宮である間に、八葉であることを生かして、人助けなどしてくれたらいいなあという願望を書きました。お楽しみ頂けたなら幸いです。
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