管理人の書いた、乙女ゲーの二次創作保管庫です。
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乙女ゲーとか映画とか書物を愛する半ヲタ主婦。
このブログ内の文章の無断転載は、固くお断り致します。
また、同人サイトさんに限り、リンクフリー、アンリンクフリーです。
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実は「裸の○将放浪記」にインスパイアされて、生まれたお話。
「これぞ、赤道の太陽だね」
まばゆい陽光、きらめく海。はばたき学園を卒業後、創作意欲
を刺激するための世界旅行の途上、天才画家三原色は、南太平
洋に浮かぶ、観光客の姿も稀な小島に来ていた。
「でも、この日差しじゃ、僕の肌が傷んでしまうよ」
美しい眉をひそめながら、SPF80の強力日焼け止めを塗りまくる色。
その服装は、普段でも、見る者の言語能力を麻痺させる
彼のセンスに南国テイスト加えた……
あえて言葉にするなら、とんでもないシロモノだった。
そんな色を、遠巻きにして、眺める村の子供たち。
視線に気づいた色は、にっこりした。
「ハロー、太陽と海に愛された褐色の天使たち!」
言葉は通じなかったが、フレンドリーな響きと、
何よりも笑顔が、子供たちの警戒心や恥ずかしさを
解きほぐした。
勇気のある少女が(後で分かったが村長の娘だった)
思い切ってあいさつしてきた。
「ハロー、ユア、フレンチ?」
色は笑って首を振った。
「ノーノー、僕はジャパニーズだよ」
その答えに、子供たちは思わず顔を見合わせた。
(ウソだろ…)
この島にやって来る日本人の特徴は際だっていて、
しかも共通していた。
目の前にいる極彩色の服の美青年は、その特徴から
激しく逸脱している。
(でも…)
子供たちは思った。
(でも、この人はキレイだ…)
交わし合う笑顔。色の純粋な心が子供たちに響いた。
そして、たちまちうち解けた色は、子供たちに服のまま、
海にたたき込まれる羽目に陥った。
そうなった以上、色はもう何も気にしない。
褐色の肌を光らせた子供たちと、熱帯魚のような美青年が、
エメラルドの海でたわむれる様は、不思議な、
しかし美しい光景だった。
すうかり仲良くなった村長の娘に、色は家に招待された。
村長の家では、遠来の客を最高のもてなしで、
歓迎してくれた。
子豚の丸焼きを見て、色の目は輝いた。
「すごいよ、これはマミーの得意料理だ。
隠し味は、フレンドシップ?」
宴は、夜が更けるまで続いた。
色は、そのまま村長宅に泊めてもらった。
そして、翌朝。
空港のある島へ向かう定期船の出る時間が迫ってきた。
目の下にクマを作った色は、村長をはじめ、
家人の一人ひとりと、別れを惜しんだ。
そして最後に色は、村長の娘に、スケッチブックから
切り取った一枚の絵を手渡した。
徹夜して描いた娘の肖像だった。
「これを、君に…。さようなら、褐色の天使」
絵を胸に抱き締め、色の接吻を頬に受けて、娘は頬を染めた。
(さようなら…虹色の王子さま)
色が去った後、娘は絵をよく眺めてみた。
(これが……私??)
色の芸術性と、娘の女としての虚栄心が合致するかどうかは、
別問題である。
けれど、絵を見つめる娘の唇に、やがて笑みが浮かんだ。
(…でも、あの王子さまらしい…)
少女の心に淡い思いと、芸術が爆発した絵を残して、
色は南の島を後にした。
明日は、どこの旅の空の下に?
それは彼のミューズが命ずるままに、である。
(終)
私、色サマファンです。(これでも・笑)
>
「これぞ、赤道の太陽だね」
まばゆい陽光、きらめく海。はばたき学園を卒業後、創作意欲
を刺激するための世界旅行の途上、天才画家三原色は、南太平
洋に浮かぶ、観光客の姿も稀な小島に来ていた。
「でも、この日差しじゃ、僕の肌が傷んでしまうよ」
美しい眉をひそめながら、SPF80の強力日焼け止めを塗りまくる色。
その服装は、普段でも、見る者の言語能力を麻痺させる
彼のセンスに南国テイスト加えた……
あえて言葉にするなら、とんでもないシロモノだった。
そんな色を、遠巻きにして、眺める村の子供たち。
視線に気づいた色は、にっこりした。
「ハロー、太陽と海に愛された褐色の天使たち!」
言葉は通じなかったが、フレンドリーな響きと、
何よりも笑顔が、子供たちの警戒心や恥ずかしさを
解きほぐした。
勇気のある少女が(後で分かったが村長の娘だった)
思い切ってあいさつしてきた。
「ハロー、ユア、フレンチ?」
色は笑って首を振った。
「ノーノー、僕はジャパニーズだよ」
その答えに、子供たちは思わず顔を見合わせた。
(ウソだろ…)
この島にやって来る日本人の特徴は際だっていて、
しかも共通していた。
目の前にいる極彩色の服の美青年は、その特徴から
激しく逸脱している。
(でも…)
子供たちは思った。
(でも、この人はキレイだ…)
交わし合う笑顔。色の純粋な心が子供たちに響いた。
そして、たちまちうち解けた色は、子供たちに服のまま、
海にたたき込まれる羽目に陥った。
そうなった以上、色はもう何も気にしない。
褐色の肌を光らせた子供たちと、熱帯魚のような美青年が、
エメラルドの海でたわむれる様は、不思議な、
しかし美しい光景だった。
すうかり仲良くなった村長の娘に、色は家に招待された。
村長の家では、遠来の客を最高のもてなしで、
歓迎してくれた。
子豚の丸焼きを見て、色の目は輝いた。
「すごいよ、これはマミーの得意料理だ。
隠し味は、フレンドシップ?」
宴は、夜が更けるまで続いた。
色は、そのまま村長宅に泊めてもらった。
そして、翌朝。
空港のある島へ向かう定期船の出る時間が迫ってきた。
目の下にクマを作った色は、村長をはじめ、
家人の一人ひとりと、別れを惜しんだ。
そして最後に色は、村長の娘に、スケッチブックから
切り取った一枚の絵を手渡した。
徹夜して描いた娘の肖像だった。
「これを、君に…。さようなら、褐色の天使」
絵を胸に抱き締め、色の接吻を頬に受けて、娘は頬を染めた。
(さようなら…虹色の王子さま)
色が去った後、娘は絵をよく眺めてみた。
(これが……私??)
色の芸術性と、娘の女としての虚栄心が合致するかどうかは、
別問題である。
けれど、絵を見つめる娘の唇に、やがて笑みが浮かんだ。
(…でも、あの王子さまらしい…)
少女の心に淡い思いと、芸術が爆発した絵を残して、
色は南の島を後にした。
明日は、どこの旅の空の下に?
それは彼のミューズが命ずるままに、である。
(終)
私、色サマファンです。(これでも・笑)
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