管理人の書いた、乙女ゲーの二次創作保管庫です。
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(08/27)
(05/22)
(09/26)
(08/03)
(07/20)
(06/28)
(06/10)
(05/26)
プロフィール
HN:
コマツバラ
性別:
女性
自己紹介:
乙女ゲーとか映画とか書物を愛する半ヲタ主婦。
このブログ内の文章の無断転載は、固くお断り致します。
また、同人サイトさんに限り、リンクフリー、アンリンクフリーです。
このブログ内の文章の無断転載は、固くお断り致します。
また、同人サイトさんに限り、リンクフリー、アンリンクフリーです。
ブログ内検索
最古記事
(09/13)
(09/14)
(09/14)
(09/14)
(09/14)
(09/14)
(09/14)
(09/18)
アクセス解析
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
この企画は、パチンコ台にもなった加山Y三氏の楽曲を
イメージして、遥かシリーズの小話を書こうというものです。
私の趣味以外、何ものでもありません(だって、Y三氏の歌、
特に岩/谷時/子さん作詞の歌って、ロマンチックなんだもん)
第一弾は遥か1より、地の青龍、天真君です。
イメージ楽曲は「蒼い星くず」(歌詞はこちら)
天真→あかね ですので、天あか至上主義の方は、
ご覧にならない方がよいと思われます。
大丈夫な方は、つづきから、どうぞ〜。
イメージして、遥かシリーズの小話を書こうというものです。
私の趣味以外、何ものでもありません(だって、Y三氏の歌、
特に岩/谷時/子さん作詞の歌って、ロマンチックなんだもん)
第一弾は遥か1より、地の青龍、天真君です。
イメージ楽曲は「蒼い星くず」(歌詞はこちら)
天真→あかね ですので、天あか至上主義の方は、
ご覧にならない方がよいと思われます。
大丈夫な方は、つづきから、どうぞ〜。
「蒼い星くず」
黄昏が舞い降り始めた時刻だった。京都市街からやや外れた、とある場所で天真はブレーキを握った。愛用のバイクは、彼の意志を受け取って、なめらかな弧を描いた後、ぴたりと思い通りの位置に停まった。ヘルメットを外すと、運転中ずっと鳴っていた風の音の代わりに、しんと冷えた空気が、耳に迫って来る。
「やっぱ、冷えるな」
小さく身震いしすると、天真は歩き始めた。船岡山は、標高112mの小山である。緑の木々の影は濃いが、散策道も整備されており、この夕まぐれでも、楽に登ることができる。道の両側の斜面には、厚く落ち葉が降り積もり、頭上には常緑樹が黒い天蓋のように、梢をさしかけている、そんな道を、白い息を吐きながら、小一時間かけて登り、山頂にたどりついた。
気候のよい時分には、カップルの姿も見かけられる場所だが、さすがにこの寒風の中に身を置こうという者はないのだろう。天真は、まったくの一人だった。登っている間に、すっかり日は落ち、京都市街の灯火がさんざめいているのを、今、眼下に望むことができた。あの日、あかねとともに見下ろした京の町とは違う、現代の京都の夜景だった。
あの日、京の船岡山で、日差しのように明るく、温かく、あかねのまなざしは、自分を見守っていた。あれから一年も経っていないはずなのに、はるか昔のことのように思えるのは、きっとあかねが今傍にいないからだ。いや、今だけではなく、恐らく天真があかねを身近に感じられるることは、もう二度とないだろう。彼女は、京に残ったのだ、愛する男とともに生きるために。
春のある日、桜が舞う通い慣れた道から、あかねと詩紋とともに、突然井戸の中に吸い込まれ、異世界に飛ばされた。そして、あかねは龍神の神子、詩紋と自分は神子を護る八葉という役目を、一方的に背負わされる羽目に陥った。
それでもあかねは、その期待に十分応え、穢れを祓い、四神を解放し、アクラムの野望から、京を救った。その過程で、行方不明になっていた妹の蘭を救出することもでき、天真はこのばかげたシチュエーションに自分が陥ったのも、運命だったのだと思えるようになった。
そうして、すべてのことが片付いて、あかね、詩紋、蘭と四人一緒に、元の世界に帰るはずだった。だが、そうはならなかった。あかねは、別の意味で、異世界に飛ばされたことを運命と受け止めたのだ。彼女は、一人の男を愛し、彼との絆を守るために、京に残ることを選んだ。
その固い意思を覆すことは、誰にもできなかった。もちろん、天真にも……。
自分は死んだと、両親には伝えて欲しいと、あかねに揺るぎないまなざしで言われた時、天真は返す言葉を持たなかった。彼女のしあわせは、現代に、そして自分の傍にはないのだと悟った瞬間だった。
あかねは、京の船岡山に立つことがあるだろうか。その時、かつて同じ場所から同じ風景を眺めた自分を、思い出すだろうか。
たとえ異なる世界に分たれ、二度と会うことはなくとも。あかねの傍に誰がいようとも。あの日、青葉が目にしみるような船岡山で「私も信じる」と言ってくれたあかねは、自分のものだと天真は思った。彼女の心情は、まぎれもなく自分に注がれていた。ただ、それは、天真が彼女に対して抱いていた想いとは、質の異なるものだったのだ。
見上げれば、町のイルミネーションに押されそうになりながらも、冬の星が蒼く光っていた。人として、生きねばならない地上と違って、星が宿る天空は、現代であっても、あの京であっても、同じではないかと思えた。
未だ変わらない自分の想いを、天真はひときわ強く輝く星に託した。そして、その横で清い光を放つ星を、あかねに……。寒風に震えるようにまたたきながら、星は天真にうなずき、約しているように思えた。きっと、その輝きを、想いを、遥かな時空を隔てたあかねに、伝えると。
天真は、視線を空から下ろした。そして冷たい頬のまま、山を下って行った。駐車場に置いた愛車は、忠実な生き物のように、彼を待っていた。エンジンをふかし、走り出した。夜の闇を突き抜けるように、雑踏と光と音が渦巻く町に向かって……。
(終わり)
将臣君で書こうかとも思ったのですが、エレキギターがミヨ〜ンと歌う曲のイメージが、どっちかと言うと天真君かな、と。天真君は、現代の高校生というより、70年代後半アイドルな感じがします。(マッチとか・笑)
あかねちゃんが誰を選んだのかは、お好きなように、ご想像下さい。
(多分、友雅さん以外ではないかと、私は思いますが・笑)
そうそう、私、船岡山には行ったことないので、想像で書きました。
実際と違う点もあるかと思いますが、ご容赦下さいませ。
黄昏が舞い降り始めた時刻だった。京都市街からやや外れた、とある場所で天真はブレーキを握った。愛用のバイクは、彼の意志を受け取って、なめらかな弧を描いた後、ぴたりと思い通りの位置に停まった。ヘルメットを外すと、運転中ずっと鳴っていた風の音の代わりに、しんと冷えた空気が、耳に迫って来る。
「やっぱ、冷えるな」
小さく身震いしすると、天真は歩き始めた。船岡山は、標高112mの小山である。緑の木々の影は濃いが、散策道も整備されており、この夕まぐれでも、楽に登ることができる。道の両側の斜面には、厚く落ち葉が降り積もり、頭上には常緑樹が黒い天蓋のように、梢をさしかけている、そんな道を、白い息を吐きながら、小一時間かけて登り、山頂にたどりついた。
気候のよい時分には、カップルの姿も見かけられる場所だが、さすがにこの寒風の中に身を置こうという者はないのだろう。天真は、まったくの一人だった。登っている間に、すっかり日は落ち、京都市街の灯火がさんざめいているのを、今、眼下に望むことができた。あの日、あかねとともに見下ろした京の町とは違う、現代の京都の夜景だった。
あの日、京の船岡山で、日差しのように明るく、温かく、あかねのまなざしは、自分を見守っていた。あれから一年も経っていないはずなのに、はるか昔のことのように思えるのは、きっとあかねが今傍にいないからだ。いや、今だけではなく、恐らく天真があかねを身近に感じられるることは、もう二度とないだろう。彼女は、京に残ったのだ、愛する男とともに生きるために。
春のある日、桜が舞う通い慣れた道から、あかねと詩紋とともに、突然井戸の中に吸い込まれ、異世界に飛ばされた。そして、あかねは龍神の神子、詩紋と自分は神子を護る八葉という役目を、一方的に背負わされる羽目に陥った。
それでもあかねは、その期待に十分応え、穢れを祓い、四神を解放し、アクラムの野望から、京を救った。その過程で、行方不明になっていた妹の蘭を救出することもでき、天真はこのばかげたシチュエーションに自分が陥ったのも、運命だったのだと思えるようになった。
そうして、すべてのことが片付いて、あかね、詩紋、蘭と四人一緒に、元の世界に帰るはずだった。だが、そうはならなかった。あかねは、別の意味で、異世界に飛ばされたことを運命と受け止めたのだ。彼女は、一人の男を愛し、彼との絆を守るために、京に残ることを選んだ。
その固い意思を覆すことは、誰にもできなかった。もちろん、天真にも……。
自分は死んだと、両親には伝えて欲しいと、あかねに揺るぎないまなざしで言われた時、天真は返す言葉を持たなかった。彼女のしあわせは、現代に、そして自分の傍にはないのだと悟った瞬間だった。
あかねは、京の船岡山に立つことがあるだろうか。その時、かつて同じ場所から同じ風景を眺めた自分を、思い出すだろうか。
たとえ異なる世界に分たれ、二度と会うことはなくとも。あかねの傍に誰がいようとも。あの日、青葉が目にしみるような船岡山で「私も信じる」と言ってくれたあかねは、自分のものだと天真は思った。彼女の心情は、まぎれもなく自分に注がれていた。ただ、それは、天真が彼女に対して抱いていた想いとは、質の異なるものだったのだ。
見上げれば、町のイルミネーションに押されそうになりながらも、冬の星が蒼く光っていた。人として、生きねばならない地上と違って、星が宿る天空は、現代であっても、あの京であっても、同じではないかと思えた。
未だ変わらない自分の想いを、天真はひときわ強く輝く星に託した。そして、その横で清い光を放つ星を、あかねに……。寒風に震えるようにまたたきながら、星は天真にうなずき、約しているように思えた。きっと、その輝きを、想いを、遥かな時空を隔てたあかねに、伝えると。
天真は、視線を空から下ろした。そして冷たい頬のまま、山を下って行った。駐車場に置いた愛車は、忠実な生き物のように、彼を待っていた。エンジンをふかし、走り出した。夜の闇を突き抜けるように、雑踏と光と音が渦巻く町に向かって……。
(終わり)
将臣君で書こうかとも思ったのですが、エレキギターがミヨ〜ンと歌う曲のイメージが、どっちかと言うと天真君かな、と。天真君は、現代の高校生というより、70年代後半アイドルな感じがします。(マッチとか・笑)
あかねちゃんが誰を選んだのかは、お好きなように、ご想像下さい。
(多分、友雅さん以外ではないかと、私は思いますが・笑)
そうそう、私、船岡山には行ったことないので、想像で書きました。
実際と違う点もあるかと思いますが、ご容赦下さいませ。
PR
この記事にコメントする